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株式会社の設立手続きについて
 

 

 

株式会社の設立手続きについて
 

 

設立のメリット

 

  1. 個人事業の場合と異なり、会社の場合には、対外的な信用度がアップし、金融機関から融資を受ける場合やビジネス上の取引・契約の取り決め等を行う場合に有利になります。
  2. 個人事業の場合と異なり、会社の場合には、出資した金額の範囲内でのみ責任を 負うという「有限責任」となります。
  3. 個人事業の場合と異なり、様々な面で節税対策・税金対策が可能となります。

 

 

設立時の注意点

 

  1. 公証人による「定款」の認証を受ける場合には「印鑑証明書」が、設立登記の申請を行う場合には「印鑑届書」が必要となりますので、個人の実印・会社の代表者印(その他にも銀行印・角印等といったものがあります。)の準備をしておく必要があります。
  2. 従業員を新たに雇用する等といった場合には、所管官庁(労働基準監督署・公共 職業安定所(ハローワーク)・年金事務所「旧社会保険事務所」)への届け出が 必要となります。
  3. 設立まで概ね1週間〜10日程度必要となります。また、設立登記の申請を行う場合に法務局に支払う登録免許税としまして資本金の7/1000もしくは150,000円の いずれか高い金額・公証役場に支払う「定款」の認証及び謄本等にかかる手数料としまして約52,000円・「定款」の印紙代としまして40,000円(「電子定款」の 場合には印紙代の40,000は不要となります。)・その他の諸費用が必要となり ます。

 

 

設立手続きの流れと実際の設立の際に必要となる主な書類及び基本事項の概要としましては、以下の通りになっています。

 

 

発起人・商号・事業目的・本店所在地・事業年度・機関設計・資本金の額・株主等、会社の基本となる事項についての決定と類似商号の調査・「印鑑証明書」の取得・会社の代表者印の作成

 

 

「定款」の作成

 

 

公証役場にて「定款」の認証

 

 

発起人の金融機関口座への資本金の振り込み・「払込証明書」の作成

 

 

「設立登記申請書」・「取締役決議書」・「就任承諾書」・「別紙」・「印鑑届書」の作成

 

 

法務局にて設立登記の申請

 

 

設立登記の完了

(「登記簿謄本」の取得・「印鑑カード」の交付と「印鑑証明書」の取得)

 

 

発起人の決定について

 

会社を設立する場合には、基本となる事項についての決定や「定款」の作成を行わなければならないわけですが、この設立における一連の手続きを行う者のことを「発起人と いいます。

 

この「発起人の数は1人以上と規定されており、発行される株式のうち必ず1株以上を引き受けなければならないことになっています。

 

尚、資格の要件は特に規定されておらず、法人でも「発起人なることができるとされています。

 

 

定款」について

 

定款」というのは、その会社の基本となる規則を定めたものであり、基本的に会社の 運営はこの「定款」に従って行われることになっています。

 

尚、この「定款」を作成するにあたり記載しなければならない事項としましては、

 

  1. 絶対的記載事項
    (➡会社の事業目的や商号・本店所在地・資本金額・発起人の住所や氏名等、必ず記載しなければならないものであり、記載されない場合には「定款」自体が無効となってしまうという重要なもの。)
  2. 相対的記載事項
    (➡株式譲渡制限についての規定等、記載しなければその効果が認められないものですが、記載がない場合であっても、「定款」自体の効力に何ら影響しないという
    もの。)
  3. 任意的記載事項
    (➡「株主総会」の招集時期・株式の事務手続き・決算期等の会社の規則等でも 規定できるものであり、「定款」に記載した場合やその事項について変更があった場合には、「定款」の変更についても行わなければならないというもの。)

 

等という3つの事項があります。

 

また、「定款」の作成の終了後には公証人による「定款」の認証を受けなければならないとされています。

 

この「定款」の認証は、設立しようとする会社の本店の所在地の都道府県内の公証役場の公証人に依頼して行うことになっています。

 

尚、「定款」の作成にあたりましては、「電子定款」とすることも認められており、  電子公証制度を利用して「定款」を作成した場合には、印紙代の40,000円が不要となります

 

 

商号について

 

商号」とは、会社の名称のことをいいます。

 

この商号は、これまでは紛らわしい商号をなくすために、同一の市町村内において同種の営業をしている他人が登記した商号につきまして、その商号と類似する商号を登記する ことが禁止されており、また、会社の設立の際に類似の商号が存在するかどうかについての調査を行わなければなりませんでしたが、【新会社法】の下ではこの規制が撤廃されることになりました。

 

しかし、撤廃されたからといって自由に商号を決定することができるというわけでは  ありません。

 

混乱が生じないようにするために同一住所での同一商号の登記」や「不正目的での商号の使用は禁止されていますし、この禁止規定に違反があった場合には商号の使用の差し止め請求や損害賠償請求を受けることになります。

 

このようなことにならないためにも、商号の調査(実際には管轄の法務局にて手続きを 行います。)をあらかじめ行っておく必要があります。

 

また、商号の決定にあたりましては、

 

  1. 「株式会社」の文字を必ず使用しなければならない。
  2. 他の会社と間違えてしまうおそれのある文字や会社でないものが会社とみなされてしまうおそれのある文字を使用してはならず、決められた文字を使用しなければ ならない。

 

とされていますので、注意する必要があります。

 

 

事業目的について

 

会社が行う事業の内容や目的のことを「事業目的」といいますが、一般に、会社は  「定款」に規定した事業目的の範囲内でのみ事業を行うことができるようになって   います。

 

ですので、設立の際には十分注意して事業目的を決定する必要があります。

 

また、設立の際に決定した会社の事業目的に変更や追加があった場合には、その都度  変更登記の申請手続きを行わなければならなくなってしまいます。

 

「定款」の事業目的の変更登記の申請手続きを行う際に法務局に支払う登録免許税としましては30,000円が必要であるとされています。

 

後から時間と手間をかけて変更登記の申請手続きを行わないようにしておくためにも、「定款」の作成段階におきまして、設立後すぐに行う事業だけではなく、将来的に行う かもしれない事業につきましてもできるだけ盛り込み、あらかじめ記載するようにして おくのがよいでしょう。

 

 

本店所在地について

 

会社の本店所在地とする場所に関しましては、特に制限は設けられていません。

 

「発起人」である代表者個人の自宅の物件であっても、実際に事業をするために借りる 物件であっても、会社の本店所在地として設立登記の申請をすることができるようになっています。

 

ただ、「発起人」である代表者個人の自宅の物件であっても、アパートや賃貸マンションの物件等、一時的に借りている物件を本店所在地として設立登記の申請をするといった 場合や実際に事業をするために借りる物件を本店所在地として設立登記の申請をすると いった場合には、その物件を管理している所有者・オーナーの方や管理会社の方に事前に確認しておく必要があります。

 

また、この本店所在地を将来的に移転するといった場合には、変更登記の申請手続きを 行わなければならないことになっており、

 

  1. 同一の法務局の管轄地域内での移転の場合には30,000円
  2. ​同一の法務局の管轄地域外への移転の場合には60,000円

 

が法務局に支払う登録免許税として必要であるとされていますので、なるべく移転する 可能性の低い場所を本店所在地としてあらかじめ選択されるのがよいでしょう。 

 

 

公告の方法について

 

一般に、公告(➡会社の特定の事項について広く一般に知らせること。)の方法には、

 

  1. 官報に掲載する方法
  2. 新聞に掲載する方法
  3. 電子公告

 

等の3つの方法があるとされていますが、「定款」に特に規定していない場合には、 官報に掲載する方法」を用いる旨を「定款」等に記載することになっています。

 

 

資本金について

 

株式会社を設立する場合には、これまでは最低資本金1000万円という制度が設けられていましたが、【新会社法】の下ではこの最低資本金制度が撤廃され、資本金1円からでも株式会社を設立することができるようになりました。

 

実際に資本金の額を決定する方法としましては、

 

対外的な信用度という点に着目して決定する方法

会社としての対外的な信用度という面に着目して高めの金額を設定する。)

 

必要となる設備資金や運転資金から逆算して決定する方法

(設備資金や6ヶ月もしくは1年程度の運転資金を割り出し、その金額を資本金として 出資する。)

 

現物出資によって決定する方法

「物」を資本金として出資する。)

 

等といった方法があります。

 

また、株式会社におきましては、原則として株式の総額が資本金になる(1株の価格× 発行株式総数=資本金の総額)わけですが、

 

まず資本金の額を決定し、そしてこの資本金の額を決定した後に1株あたりの価格(一般には50,000円とする場合が多いようです。)の決定を行います。

 

そして、1株あたりの価格を決定した後に「発起人」の引受株数の決定を行いますが、 このようにしてそれぞれが出資する金額を金融機関に振り込むという手続きを行うことになります。

 

実際の手順としましては、「発起人」(複数の「発起人」がいる場合には代表者を1人 決めておきます。)が個人名義で銀行口座を開設(設立後には会社名義の口座を開設することになります。)し、この銀行口座に出資金の払い込み(現物出資の場合にはその全部の給付)を行います。

 

出資金の払い込みの終了後には、出資金の払い込みを行ったことを証明する書類としま して「出資金払込証明書」の作成を行うことになります。

 

尚、この資本金につきましては、現金だけではなく、パソコンや車等といった「物」を 資本金として出資する➡『現物出資』という方法がありますが、その評価額を決める場合には、課税関係等の面で注意する必要があるとされています。

 

 

株式と株主について

 

株式会社における出資者(社員)としての地位のことを「株式」といい、株式会社に  対する持分を購入した者を「株主」といいます。

 

「株式」は、原則として自由に譲渡することができるとされているのですが、自由に譲渡することができるような状態に置かれているという場合には、「他人に経営権を握られてしまう。」という可能性が存在することになります。

 

そこで、このようなことを防止するという観点から、株式の譲渡に制限を設けることが できるとされています。

 

このような株式譲渡制限会社とするためには、

 

  1. 株式譲渡制限会社とする。
  2. 株式の譲渡を行う場合には「取締役会」あるいは「株主総会」での承認を必要とする。

 

旨の規定を「定款」に規定しておく必要があります。

 

尚、この株式譲渡制限会社の場合には、「取締役」の任期を最長10年まで伸ばすことができるようになっています。

 

また、「株式」を証券化したものを「株券」といいます。

 

株式の株券としての証券化には、譲渡をスムーズに行えるというメリットがありますが、紛失や盗難の危険を伴うというデメリットもあります。

 

そこで【新会社法】では、定款」において株券の発行についての規定がない限り、  株券を発行しない(➡「株券不発行の原則」)とすることができるようになりました。

 

尚、既存の株券発行会社が株券不発行会社に移行するためには、「定款」に株券不発行について規定する必要があります。【新会社法】の施行によって当然に株券不発行会社に 移行するというわけではありませんので注意が必要です。

 

 

事業年度について

 

事業年度につきましては、自由に決定することができるようになっています。

 

必ずしも一般的に多いとされている毎年04月01日から翌年03月31日までとする必要は ありません。

 

ただし、決算期「➡企業が決算を行う会計期末の時期」や事業の繁忙期等を避けて適切な時期に設定する等して事業年度を決定する必要があります。

 

 

設立の登記について

 

一定の事項について広く一般に公開するために帳簿への記載と記録を行うことを「登記」といいます。

 

会社を設立する場合や組織の再編を行う場合・変更すべき事項等がある場合に行わなければならないとされています。

 

この「登記」は、会社を設立する場合には、設立時における「取締役」や「監査役」の 調査が終了した日又は発起人が定めた日のどちらか遅い日から2週間以内に本店所在地を管轄する法務局に設立登記の申請を行わなければなりません。実際には、

 

「設立登記申請書」

「定款」

「取締役決議書」

「就任承諾書」

「印鑑証明書」

「払込証明書」

別紙

「印鑑届書」

 

等といった書類(現物出資を行う場合には、「財産引継書」・「調査報告書」・「資本金の額が会社法及び会社計算規則に従って計上されたことを証する書面」の準備も必要と なります。)を法務局に提出して行うことになるわけですが、この設立登記の申請日が 会社の設立日(法務局が休日である土曜日・日曜日・祝日・年末年始は除きます。)と なりますので、十分に検討して計画的に余裕を持って手続きを行う必要があります。

 

尚、設立登記の申請から完了まで概ね1週間~2週間程度となっています。

 

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