■家賃の不払いや病気・事故等についての貸主の不安感から、民間の賃貸住宅業界ではしばしば高齢者の入居が拒否されてしまうというケースがあるわけですが、そうした状況を改善すべく、その貸主が高齢であることを理由に入居を拒否することのない賃貸住宅を登録し、住宅を探している高齢者の方に安心してかつ円滑に入居できる賃貸住宅の情報を広く提供する仕組みとして設けられたのが、「高齢者円滑入居賃貸住宅」の制度です(高齢者居住支援センターによる家賃債務保証制度が設けられています)。
そして、この「高齢者円滑入居賃貸住宅」のうち、高齢者の単身世帯又は夫婦世帯等、専ら高齢者の世帯に賃貸する住宅として登録されたもので、より詳細な情報提供がなされる賃貸住宅のことを「高齢者専用賃貸住宅」といいます。
●尚、この「高齢者専用賃貸住宅」としての登録を行う場合には、「高齢者円滑入居賃貸住宅」として登録すべき事項、具体的には、
@賃貸人の氏名又は名称及び住所 A賃貸住宅の位置 B賃貸住宅の戸数 C賃貸住宅の規模 D賃貸住宅の構造又は設備(段差のない床・便所・浴室・及び階段の手すり・介助用の車いすで移動できる幅の廊下及び居室の出入口・介助を考慮した広さの便所で腰掛便座が設けられたもの・介助を考慮した広さの浴室・エレベーター・非常通報装置 E賃貸の用に供する前の賃貸住宅にあっては、入居開始時期・賃貸住宅の家賃及び共益費の概算額 F高齢者向け優良賃貸住宅の認定の有無 G終身建物賃貸借の認可の有無 H賃貸人の連絡先又は賃貸人が建物(その一部を含む)の賃借の代理もしくは媒介を依頼する場合における当該代理もしくは媒介を行う者の氏名もしくは名称・住所及び連絡先等
等の事項に加えて、
@高齢者専用賃貸住宅の戸数 A敷金(家賃滞納等を除き、原則として返還されるもの)・敷金以外のその他の一時金(一定の期間で償却されるものを含め、原則として返還されないもの)の概算額 B家賃を前払金として受領する場合は、前払家賃の概算額 C家賃を前払金として受領する場合には、前払家賃の概算額と保全措置の有無 D各住戸における台所・水洗便所・収納設備・洗面設備及び浴室の有無 E共同利用する居間・食堂・台所・収納設備及び浴室の有無 F食事・入浴・排せつ又は食事の介護・洗濯・掃除等の家事・緊急時対応等安否確認・健康管理等の日常生活に係るサービスの有無 G特定施設入居者生活介護の指定の有無
等の事項を追加登録することにより、「高齢者専用賃貸住宅」としての登録を行うことができるようになっています。 (※この「高齢者専用賃貸住宅」は賃貸借契約を結ぶ住宅のみが対象となり、利用権等の契約による住居は登録の対象にならないとされています。)
●実際に「高齢者専用賃貸住宅」としての登録の申請を行う場合には、都道府県知事又は各都道府県の指定登録機関に申請書類(登録事項に変更が生じた場合には登録変更の申請を行います。)を提出して行うことになっています。そして、登録された情報については、都道府県や市町村の窓口又はホームページ・指定登録機関・「登録住宅ご案内店」のステッカーが貼付されている不動産業者の店舗・高齢者居住支援センターのホームページ等での閲覧が可能になるとされています。
●ところで、この「高齢者専用賃貸住宅」としての登録が行われた住宅のうち、
@各戸の床面積が25u以上(居間・食堂・台所その他高齢者が共同して利用するために十分な面積を有する共用設備がある場合は18u以上)あること A原則として各戸に台所・水洗便所・収納設備・洗面設備及び浴室(共用部分に共同して利用するため適切な台所・収納設備又は浴室を備えた場合は、各戸が水洗便所と洗面設備を備えていること) B前払家賃を受領する場合には、保全措置が講じられていること C入浴・排せつもしくは食事の介護・食事の提供・洗濯・掃除等の家事又は健康管理が実施されていること
等といった要件を満たす住宅については、「適合高齢者専用賃貸住宅」として都道府県知事に届け出ることによって介護保険法に規定する「特定施設入居者生活介護」の対象となり、また、「老人福祉法」に規定する有料老人ホームの定義から除外されて有料老人ホームとしての届出が不要になるとされています。
