福祉有償運送事業について

■高齢化社会の進展や障害者の社会参加の促進、介護保険制度の導入等によって注目されている事業として「福祉有償運送事業」というものがあります。 この「福祉有償運送事業」は、<タクシー等の公共交通機関によっては要介護者・身体障害者等に対する十分な輸送サービスが確保できないと認められる場合に、NPO法人・社会福祉法人等の非営利法人が実費の範囲内で、また、営利とは認められない範囲内の対価によって乗車定員11人未満の自家用自動車を使用して行う輸送サービス事業のことをいい、実際に事業を行う場合には、運輸支局長等が行う登録(有効期間は登録の日から2年であり、また、登録免許税15,000円が必要となります)を受け、登録の申請にあたっては、市町村等が主宰する「運営協議会」において、福祉有償運送事業についての必要性や運送の区域(運営協議会の協議が調った市町村を単位とし、旅客の運送の発地又は着地のいずれかが運送の区域内にあることが必要とされています。)・運送事業の対価等について合意されていることが必要であるとされています。
                                                                

                                                           ■登録にあたっての主な要件としては、以下の通りになります。


●「使用車両の種類」について


@寝台車<車内に寝台(ストレッチャー)を固定する設備を有する自動車>
A車いす車<車いすの利用者が車いすのまま車内に乗り込むことが可能なスロープ又はリフト付きの自動車>
B兼用車<ストレッチャー及び車いすの双方に対応した自動車>
C回転シート車<回転シート(リフトアップシートを含む)を備える自動車>
Dセダン等<自動車検査証の用途の欄が「貨物」の自動車以外の自動車>


●「旅客の範囲」について 
 
旅客の範囲は、

@ 身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者
A 介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定を受けている者
B 介護保険法第19条第2項に規定する要支援認定を受けている者
C その他肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害、その他の障害(発達障害、学習障害を含む)を有する者


のうち、他人の介助によらずに移動することが困難であると認められ、かつ単独でタクシー等の公共交通機関を利用することが困難な者であって、運送しようとする旅客の名簿に記載されている者及びその付添人であること

                                                          ●「運転者の要件」について

<福祉自動車の場合>


@第二種運転免許を受けており、その効力が停止されていない者
A第一種運転免許を受けており、かつその効力が過去2年以内において停止されていない者であって、

1)国土交通大臣が認定する福祉有償運送運転者講習を修了していること
2)(社)全国乗用自動車連合会・(財)全国福祉輸送サービス協会及び(社)シルバーサービス振興会が行うケア輸送サービス従事者研修を修了していること

のいずれかの要件を満たしていること
 
<セダン型車両の場合>
 
福祉自動車を運転させる場合の要件に加えて、
 

@介護福祉士
A国土交通大臣が認定するセダン等運転者講習を修了していること
B社)全国乗用自動車連合会・(財)全国福祉輸送サービス協会及び(社)シルバーサービス振興会が行うケア輸送サービス従事者研修を修了していること
C訪問介護員等

等のいずれかの要件を備える者又はいずれかの要件を備える者が乗務すること
 
●「運行管理の責任者の選任」について 
 
運行管理の責任者の選任その他運行管理の体制の整備にあたり、5両以上の自動車を運行管理する事務所にあっては事務所ごとに、
 

@国家資格たる運行管理者→39両まで1人、以降40両ごとに1人
A運行管理者試験の受験資格を有する者及び安全運転管理者の要件を備える者→19両まで1人、以降20両ごとに1人


等の要件を備える運行管理の責任者を車両の数に応じて選任すること
                                                          <運行管理の責任者が行う業務

                                                          @運転者の要件を備えない者に自動車を運転させないこと
A死者又は重傷者を生じた事故等を惹起した運転者や運転免許停止以上の処分を受けることとなった運転者に適性診断を受けさせること
Bセダン型の自動車を使用して福祉有償運送を行う場合は一定の要件を備える乗務員の乗車なしに運転者の要件を備えない者に運転させないこと
C運転者に対する疾病・疲労・飲酒等の確認・運行の安全を確保するために必要な指示の実施・その内容の記録・記録を1年間保存すること
D運転者に対し乗務記録を作成させ、その記録を1年間保存すること
E運転者台帳の作成及び事務所への据え置き
F事故の記録を作成し、その記録を2年間保存すること
Gその他福祉有償運送自動車の運行の安全を確保するために必要な業務

                                                          ●「損害賠償措置」について
 

運送事業を行う者は、自動車の運行により生じた旅客その他の者の生命・身体又は財産の損害
を賠償するため、


@ 対人賠償の限度額が1人につき、8,000万円以上のもの
A 対物賠償の限度額が1事故につき200万円以上のもの
B 法令違反が原因の事故について補償が免責となっていないこと
C 保険期間中の保険金支払額に一定割合の負担額その他の制限がないこと
D すべての福祉有償運送自動車について契約を締結すること

等の基準に適合する任意保険(共済を含みます)の契約を締結していること
 
●「自動車に関する表示」について
 
自動車の両側面に、

@運送者の名称
A「有償運送車両」の文字
B登録番号

等の事項を記載した標章を表示すること(尚、文字については、ステッカー・マグネットシート又はペンキ等による横書で、一文字の大きさが一辺5cm以上であること
 
●「対価」について
 

対価は運送サービスの提供に対するもの及び運送サービスに伴って行われる役務の提供や施設の利用料について利用者の負担を求めるものであり、その範囲は以下の通りになっています。

@運送の対価(運送サービスの利用に対する対価)
A運送の対価以外の対価(運送サービスと連続して若しくは一体として提供される役務の利用又は設備の利用に対する対価)

1)迎車回送料金(旅客の要請により乗車地点まで車両を回送する場合に適用する料金)
2)待機料金(旅客の都合により車両を待機させた場合に適用する料金)
3)その他の料金(介助料・添乗料・ストレッチャー・車いす使用料等の設備使用料等)

また、運送の対価は、原則として、
 

@距離制(旅客の乗車した地点から降車した地点までの走行距離に応じて対価を設定するもので、初乗りに係る対価と加算に係る対価を定めるもの)
A時間制(旅客の指定した場所に到着した時から旅客の運送を終了するまでに要した時間により運送の対価を定めるもので、初乗りに係る対価と加算に係る対価を定めるもの
B定額制(旅客の運送に要した時間及び距離によらず、1回の利用ごとの対価を定めるもの又はあらかじめ利用者の利用区間ごとの対価を定めるもの)


の中から選択しますが、これらのいずれにもより難い場合には、運営協議会の合意に基づいて地域の実情に応じた運送の対価の設定を行うことができるようになっています(尚、運送の対価以外の対価を設定する場合には、それぞれの対価の額及びそれを適用する場合の基準を明確に定める必要があります)。対価の設定にあたっては、

@タクシーの上限運賃の概ね2分の1の範囲内であること
A運送の対価以外の対価は実費の範囲内であること
B均一制など定額制による運送の対価については近距離利用者の負担が過重となる等、利用者間の公平を失するような対価の設定となっていないこと
C距離制又は時間制で定め、車庫を出発した時点からの走行距離を基に対価を算定しようとする場合は当該旅客をタクシーが運送した場合の実車運賃の額に迎車回送料金を加えた合計額と比較して概ね2分の1の範囲内(この場合、迎車回送料金を併せて徴収することはできません)であること


等の基準を目安として適用することになります。
                                                            

                                                            ■登録申請の流れと申請に必要な書類としては以下の通りになります。(尚、会員の居住地が共同設置のブロックをまたがって構成されている場合・他府県にまたがる場合には、それぞれの市町村に申請書を提出することになります。)


@会員となる利用者の居住地の市町村に申請書(同一ブロック内の複数市町村に会員が居住する場合はその会員の最も多い市町村に提出します)を提出します。

A市町村にて書類を受け付けし、書類の審査を行います。

B市町村から事務局となる市町村に書類が送付されます。

C運営協議会での審議(事務局となる市町村で開催されます)が行われます。

D申請事業者に対して、結果の通知が行われます。

E運営協議会での協議が成立した場合、運輸支局に本申請を行います。

F運輸支局にて審査が行われます。

G登録の(登録番号の付与・登録証の交付)手続きが行われます。


 

1 「自家用有償旅客運送登録申請書」
2 「運送しようとする旅客の名簿」
3 「定款又は寄附行為<写し>」
4 「登記事項証明書」
5 「役員の名簿」
6 「自家用有償旅客運送自動車についての使用権原を証する書類:自動車検査証<写し>」
7 「ボランティア個人の持込み自動車の使用権原に関する契約書等(持込み車両の場合)」
8 「宣誓書(第79条の4第1〜4号までのいずれにも該当しない旨を証する書類)」
9 「法第51条の7に規定する運営協議会においての合意を証する書類」
10 「旅客から収受する対価一覧」
11 「運転者等就任承諾書兼就任予定運転者名簿」
12 「運転免許証(表裏とも)<写し> 」
13 「無事故・無違反証明書または運転記録証明書(更新・再交付等により、免許
証の裏面では「2年間の免許停止期間の有無」が確認できない場合(但し、優良免許(ゴールド免許)は除く)」
14 「講習修了を証する書類<写し> 」
15 「適性診断票<写し> 」
16 「運行管理の責任者の就任承諾書」
17 「運行管理者資格証等<写し>(5両以上の車両を配置する事業所の場合)」
18 「運行管理の体制等を記載した書類」
19 「運行管理マニュアル」
20 「旅客その他の者の生命・身体又は財産の損害を賠償するための措置を講じていることを証する書面:保険証書等<写し>」
21 「任意保険に係る確認書」
22 「任意保険に係る宣誓書(保険証書等の写しが添付できない場合)」
23 「登録証(更新登録・変更登録・登録事項変更届出の場合)」
24 「点呼実施表」
25 「乗務記録」
26 「運転者台帳」
27 「運転者証」
28 「事故記録」
29 「苦情処理簿」                     等


 

@大阪府の福祉有償運送についてはこちら。

A自家用有償旅客運送についてはこちら。