■介護サービス事業では、営業エリアが必然的に限定されますので、その地域に根を下ろした事業展開が求められることになります。利用者は、緊急時の対応等の面で融通がききやすいといったことから、近隣でサービスの提供を受けることを希望していますが、実際にサービスの提供を受けるにあたり、「そのサービスが自分自身にとって有益なものなのか」・「信頼できるものなのか」と常に不安を抱いています。そしてまた、利用者によっては家族構成・性格・精神(健康)状態・生活習慣・要望等は大きく異なります。そこで、個々の利用者の事情を把握していかにきめ細かくサービスを提供してあげられるかが大変重要になってくるわけですが、例えば、事業所案内やチラシ・パンフレットを作成する等して利用者に事業所や提供するサービスの内容についてよく知ってもらう、あるいは利用者の信頼を得ていくための仕組み作りを行う、更には緊急の場合に備えて他の医療機関との連携体制を整備しておく、利用者に安定したサービスの提供を行っていくにあたりホームヘルパーを多く確保しておく、といったこと等を行う必要があります。
ところでまた、介護サービスは、介護福祉士やホームヘルパー等「人」が提供するサービスです。利用者は安定した質の高いサービスを求めています。実際にサービスの提供に従事する専門職員の置かれた環境や精神(健康)状態に問題があれば、それが利用者にも不安を与えてしまうことになりかねません。利用者のニーズに対応したサービスを提供していく中で利用者から認知され、信頼を得ていくには、サービスの提供に従事する専門職員の人材の質を高めておくこと(職員の健康管理や衛生管理を徹底して行う等)も大変重要になります。
(介護サービス事業の具体的な内容について)
■一般に、介護サービス事業は「介護保険サービス事業」と「介護保険対象外のサービス事業」に分けられるのですが、介護サービス事業の中心である「介護保険サービス事業」には「介護給付」と「予防給付」があり、サービスの提供形態によって、
@「居宅介護サービス」
・(介護予防)訪問介護 (=訪問介護員<ヘルパー>が利用者宅を訪問し、入浴・排泄・食事等の身体介護や調理・洗濯・掃除等の生活援助を行うというもの)
・(介護予防)訪問入浴介護 (=車等で浴槽を利用者宅に運び、入浴の援助を行うというもの)
・(介護予防)訪問看護 (=看護師等が利用者宅を訪問し、主治医の指示に従って療養上の世話や診療の補助を行うというもの)
・(介護予防)訪問リハビリテーション (=理学療法士や作業療法士等が利用者宅を訪問し、心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を援助するために理学療法・作業療法等を行うというもの)
・(介護予防)居宅療養管理指導 (=医師や歯科医師等が利用者宅を訪問し、介護サービスの利用上の注意や介護方法等についての助言・指導を行うというもの)
・(介護予防)通所介護 (=利用者にデイサービスセンター等に通ってもらい、入浴・排泄・食事等の世話や機能訓練・栄養改善・口腔機能向上等のサービスを行うというもの)
・(介護予防)通所リハビリテーション (=利用者に医療機関や老人保健施設等に通ってもらい、心身の機能の維持回復や自立を援助するためにリハビリテーション・栄養改善・口腔機能向上等のサービスを行うというもの)
・(介護予防)短期入所生活介護 (=利用者に特別養護老人ホーム等に短期間入所してもらい、入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上の世話・機能訓練等を行うというもの)
・(介護予防)短期入所療養介護 (=利用者に老人保健施設や介護療養型医療施設等に短期間入所してもらい、介護や機能訓練・医療等を行うというもの)
・(介護予防)特定施設入居者生活介護 (=有料老人ホーム等に入居している利用者に入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上及び療養上の世話・機能訓練等を行うというもの)
・(介護予防)福祉用具貸与 (=利用者の日常生活での自立を援助するために福祉用具<車いす・車いす付属品・特殊寝台・特殊寝台付属品・床ずれ防止用具・体位変換器・手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ・認知症高齢者徘徊感知機器・移動用リフト>を貸与し、機能訓練等を行うというもの)
・(介護予防)特定福祉用具販売 (=利用者の在宅での入浴や排泄を行いやすくするために福祉用具<腰掛便座・特殊尿器・入浴補助用具・簡易浴槽・移動用リフトのつり具の部分>を提供するというもの)
・(介護予防)住宅改修 (=手すりの取り付け・床の段差解消・滑りの防止や移動の円滑化のための床材の変更・引き戸等への扉の取り替え・洋式便器等への便器の取り替え等を行うというもの)
A「居宅介護支援サービス」
・(介護予防)居宅介護支援 (=利用者が在宅で介護サービスを利用するために居宅サービス計画<ケアプラン>の作成や事業者との利用調整等を行うというもの)
B「地域密着型介護サービス」
・夜間対応型訪問介護 (=夜間に定期的な巡回訪問や通報等により、利用者宅にて入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上の世話等を行うというもの)
・(介護予防)認知症対応型通所介護 (=認知症の利用者にデイサービスセンター等に通ってもらい、入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上の世話等を行うというもの)
・(介護予防)小規模多機能型居宅介護 (=利用者の状況や環境に応じて、居宅又は施設等に通ってもらったり、短期間宿泊してもらう等して入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上の世話・機能訓練等を行うというもの)
・(介護予防)認知症対応型共同生活介護 (=共同生活の住居に入居する認知症の利用者に対して、入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上の世話・機能訓練等を行うというもの)
・地域密着型特定施設入居者生活介護 (=定員29人以下の有料老人ホーム等の施設に入居している利用者に入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上及び療養上の世話・機能訓練等を行うというもの)
・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 (=定員29人以下の特別養護老人ホーム等の施設に入居している利用者に地域密着型施設サービス計画に従って 入浴・排泄・食事等の身体介護や日常生活上及び療養上の世話・健康管理・機能訓練等を行うというもの)
C「施設介護サービス」
・介護老人福祉施設 (=入居する利用者に対して、入浴・排泄・食事等の身体介護等を行うもの)
・介護老人保健施設 (=入居する利用者に対して、リハビリテーションや機能訓練・医療等を行うもの)
・介護療養型医療施設 (=入居する利用者に対して、看護や医療等を行うもの)
等といった事業があります。一方、「介護保険対象外のサービス事業」には、主なものとして、
1 「配食サービス」
(=高齢者宅への食事の宅配を行うというもの)
2 「緊急通報サービス」
(=緊急通報機器の開発や貸し出し・通報時に駆けつけるサービスを行うというもの)
3 「医療・介護情報提供サービス」
(=病院やケアハウス・有料老人ホーム等、医療・介護関連の情報提供を行うというもの)
4 「日用品提供サービス」
(=地域の商店街等が連携して高齢者への宅配サービスを行うというもの)
5 「訪問理美容サービス」
(=自宅で寝たきりの高齢者等に対して理容師や美容師がパーマ・カットのサービスを行うというもの)
6 「外出援助サービス」
(=高齢者の移動をサポートするサービスを行うというもの)
7 「クリーニングサービス」
(=高齢者宅を訪問し、洗濯等のサービスを行うというもの)
8 「財産管理サービス」
(=高齢者の財産を管理するサービスを行うというもの)
9 「賃貸式老人ホーム」
(=介護サービス付きあるいは介護サービス付き以外の有料老人ホームにてサービスを行うというもの)
等といった事業があります。また、介護サービス事業に関連する主な専門職とその概要については以下の通りになります。
| ホームヘルパー | 要介護の高齢者宅を訪問し、身体介護や家事援助を行います。 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 高齢者の健康状態等を考慮しながら、ケアプランの作成・相談・指導等を行います。 |
| 介護福祉士 | 障害者や高齢者に対して入浴・食事等の日常生活上の介護や援助を行います。 |
| 看護師 | 病院等で医師の指示に従って診察や治療のサポート・患者の看護等を行います。 |
| 保健師 | 保健所等で地域の住民への保健指導・健康管理等を行います。 |
| 理学療法士 | 医師の指示に従って身体上の障害がある者に対してリハビリテーションを行います。 |
| 作業療法士 | 身体上・精神上の障害がある者に対して様々な訓練を行います。 |
| 管理栄養士(栄養士) | 福祉施設等で献立や栄養面における管理・相談等を行います。 |
| 福祉住環境コーディネーター | 障害者や高齢者に対する便利で安全な住みやすい住環境についての指導等を行います。 |
| 福祉用具専門相談員 | 福祉用具貸与事業所において福祉機器の選定や使用方法等についての指導を行います。 |
| 社会福祉士 | 社会福祉施設等において障害者や高齢者に対する助言・指導・相談等を行います。 |
| 柔道整復士 | デイサービス等においてリハビリテーションを行います。 |
| 言語聴覚士 | コミュニケーションに障害がある者に対して援助を行います。 |
